センター概要

東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学研究センター(ICUS: International Center for Urban Safety Engineering)は、「①災害安全社会実現学」、「②国土環境安全情報学」、「③成熟社会基盤適応学」の研究分野で、先端研究の推進」、「ネットワークの構築」、「情報の収集と配信」を通して、国際的な活動を展開している。上記の3つ研究分野では、それぞれ下記のような研究を実施している。

① 各種のハザードから人々が豊かに安全に、そして安心して生活できる都市環境を実現し、継続するための課題の抽出と解決策の提案。

② 頻発する異常気象に見られるような気候変動下の世界において、各種の広域ハザードの影響を軽減し、人々が豊かな自然環境を享受しながら共生する国土環境を実現し、持続させるための課題の抽出と解決策の提案。

③ 成熟した社会基盤施設整備の先に訪れる危機(衰退・滅亡)から、人々の豊かな生活を守り抜くための課題の抽出と解決策の提案。

ICUSは、2016年からは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP: Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)と地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS: Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)が内外の競争的資金を基本的な活動原資として、研究活動と教育活動を進めてきた。

SIPプロジェクトは、総合科学技術・イノベーション会議が、自ら司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設するプログラムである。 ICUSはインフラ維持管理・更新・マネジメント技術に関するプロジェクトの中で、アセットマネジメント(AM)技術を国際展開する課題に取り組んだ。プロジェクト期間は2014年~2018年であったが、2019年度はその活動を踏まえて生まれた幾つかの研究プロジェクトを開始した。

SATREPSプロジェクトは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の共同出資しているプロジェクトである。ICUSが2015年から実施しているSATREPSプロジェクトは、「ミャンマーの災害対応力強化システムと産学官連携プラットフォームの構築」であるが、お陰様でこのプロジェクトでは、本来の目的である多くの研究成果と具体的な実装システムを実現するとともに、研究を通した様々な活動の結果として、カウンターパートのヤンゴン工科大学(YTU)の組織改革(大学の独立性、人事体制、研究センター設立など)に多くのプラスの影響を与えて、2019年度に最終年度を迎えた。これらの成果については、本報告書にもその一部が記載されているので、ぜひ参照されたい。

2013年度から始まった戦略的パートナーシップ(SGU)プロジェクトには、 ICUSは2014年度より参画し、部局間を超えてヤンゴン工科大学を軸としてヤンゴン大学、マンダレー工科大学等と研究交流を深めている。

ICUSは、個別の先端研究の実施に加え、アジア各地で「アジアの巨大都市を対象とした安全技術に関する国際シンポジウムUSMCA」を毎年実施している。2019年度は18回目となり、12月にSATPREPSプロジェクト、 SGUプロジェクトの相手校であるヤンゴン工科大学で行った。テクニカルツアーは、2019年7月に世界遺産登録されたバガンで遺跡の保全・管理等の見学をおこなった。

ICUSは、アジアの2か所で有している海外拠点(タイのアジア工科大学院(AIT)内のRNUS(Regional Network Office for Urban Safety)とバングラデシュのバングラデシュ工科大学(BUET)内のBNUS(Bangladesh Network Office for Urban Safety)でも活動を行っている。 2019年度は、9月12-13日に8th Joint Student Seminar on Civil InfrastructuresをAITで開催した。

ICUSは今後も、これまで以上に、真摯に、そして活発に、研究と教育活動、さらに社会活動を展開していきます。 これまでと変わらぬご指導とご鞭撻をよろしくお願いいたします。